2003年12月25日

情報技術の教育とデジタルデバイド

 これは、前に学校でのパソコン教育について「「情報」必修化と“教室内デジタルデバイド”」を書いたときについた「1x8 Weblog 〜 イ チ カ バ チ カ 〜: 「情報」必修化と教室内デジタルデバイド」に対する返事のようなものなのだけど、自分でまとめ切れなかったり、他の人の文をパクッただけになりそうなので、出所を明らかにしてリンクを並べた。

 現在の日本の小中高校の現場が、東大と違うことはわかっている。東大のやり方をそのまま持ち込むことは不可能だ。一般企業にGMのやり方が通用しないのと一緒だ。また、「実用的な技術の一部としてWordやExcelを教えるのは悪くない」というのにも一面の真理はある。

 下に列記したリンク先に、特定のアプリケーションに依存しないことの意義が書かれているので、読んでいただきたい。それと同時に、Excel・Wordの「実用的な技術」としての無意味さも指摘しておきたい。右ボタンクリックメニューの使い方をマスターしても、実際に使うときに同じメニューが出る保証は全くない。このような、OS、アプリケーションソフト、バージョン依存したものを中学校や高校で習得しても、社会に出るときには役に立たない可能性が高い。例えるなら、テレビの操作方法を「リモコンの赤いボタンを押せば電源が入り、上向の三角のボタンを押せば音量が上がります」と教えるレベルだ。特定のテレビについてくる説明書には必要であっても、一般的な技術として全員が知らなければならないことではない。

 教えるべき基本を十分教えた後で、応用技術として特定のアプリケーションを紹介するのはいい。しかし、それが全てだから困るのだ。

「情報」必修化と教室内デジタルデバイド

それでもって、パソコンを使えることが社会に出るために必須となっているご時世であるからこそ、情報Aは必須であるべきだし、ボトムアップを大切に考えたほうが良い性質の科目なんだと思います。なので、速戦となるWORDやEXCELを教材に使うのは高卒で社会に出る層にとって重要な事だと思います。

 俺も、ボトムアップのための授業は必要だと思う。しかし、ボトムアップのためにこそ基本的な概念の理解が必要だと思う。ハードとソフトの関係とかファイル、ファイルフォーマット、ネットワークとかいったレベルでいいから一学期使って教えたらどうだろう。そうすれば、初めてのアプリケーションでも困ることは少ないはずだ。実際に仕事で使う場合の細かい操作は、環境によっても違うし会社によっても違うのだから、慣れるしかない。

 また、実際にPCを扱いなれている人間にも基本を理解していない人間が多い。基本を教えることは、PCを扱いなれていることや特定ソフトの操作の速さやコマンドを知っていることに意味がないことへの理解につながる。これは、特定ソフトの操作に慣れていないという理由で苦手意識を抱いている生徒にとって有用なはずだ。同時に、使い慣れているだけの生徒にとっても重要なことだと思う。

-----参考となるページへのリンク

教室内デジタルデバイド、東大とiMac、つまり? - Webビジネスコンサルタントのネタ帳

先生も何やったらいいかわからないから「とりあえずWindows入れて」「とりあえずWordとExcelを勉強させとけ」というところからスタートしてしまうこと自体も原因のひとつだ。

教えること:がんばれ!!ゲイツ君

私は、子供達がオープンソースの精神を学ぶことにより、創造性豊かな、思いやりのある大人になってくれるのでは、と思うのです。ワードやエクセルや、ましてやテレビゲームのシューティングゲームなどでは決して得られないことを、教育の場ではいくらでも教えることができるはずなのですから。

そうなると、このしがない国も、また世界も、いくらかは希望が持てるようになると思うのです。
私たちのパソコンには、そんな力があるはずなのですから。

japan.linux.com | 学校がフリーソフトウェアだけを使用すべきなのはなぜか

Richard-Stallman(2003年11月8日(土))
著者: From NewsForge.com (NewsForge)
日付: 2003年11月19日

もうひとつの理由は、これよりさらに深い理由だ。私たちは、学校が基礎的な事実と有用なスキルを学生に教えることを期待するが、それだけが学校の役割ではない。学校の最も基本的な使命は、よい市民、よい社会人になること、助けを必要とする人に協力することを教えることだ。これは、コンピュータの分野ではソフトウェアの共有を教えることを意味している。特に小学校では生徒にこう伝えるべきだ。「学校へソフトウェアを持って来たら、ほかの子たちと分かち合わなければなりません。」そしてもちろん、学校は自分たちが教えることを身をもって実行すべきである。学校がインストールしたソフトウェアはすべて、学生がコピーして家へ持って帰ることができ、さらに再配布することができなければならない。

Copyright 2003 Richard Stallman
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Posted by panhead at 2003年12月25日 12:48 | トラックバック
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