2004年10月07日

「社会調査」のウソ

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ リサーチ・リテラシーのすすめ 谷岡一郎 文春新書(古本で200円)

 俺がしつこく突っ込んでいるいい加減な、あるいは恣意的な悪意のある調査について鋭く突っ込んだ本。実際にマスコミでばらまかれた調査結果や分析を提示し、謎解きの仕方を示してくれる。俺の突っ込みなんかはまだまだ甘かったと思った。これを糧に精進してゆきたい。

 これは、定価で買ってもいいと思う。

 ところで、せっかくなので、俺からも出題したい。俺の身近なところで行われた調査とその結果についてだ。


  1. 舞台は、WANを使った電子掲示板を導入して数ヶ月後の某企業の総務部。総務部長に呼ばれたナニな中間管理職(以後ナニ)に、「今度導入した電子掲示板のコスト削減効果について調査せよ」との命令があった。上司の命令は、自分の部署の仕事をすべて棚上げにしても最優先することで有名なナニは調査を開始した。

  2. 対象は、電子掲示板を管理している他事業所の担当部署(3カ所)。本社との会議は本社でつかめるので、他事業所同士で行った遠隔会議の回数と参加者の記録を集めた。

  3. 利用者の評判をナニが聞き取り調査

  4. 上で集めた回数をもとに効果を測定し、「コスト削減効果があった」という報告書を作成。その根拠。

    • 電子会議の回数はXX回と活用されている。

    • コスト削減効果は「会議の回数×(参加人数の60%×一人当たりの出張に伴う費用)」。なお、参加人数の60%としたのは、通常の出張では同行しない人物の参加を求めることがあることを勘案したため。

    • 参加者の評判(好意的なものが多かった)

  • 報告書を受けた幹部会では何の異論もなく承認。


  •  さて、この調査(というのに値するのかどうかは置いておいて)に問題はあるか。あるとすれば何か。そして、そこから導かれた「コスト削減効果有り」という結論は正しいか正しくないか。コメントでもトラックバックでも書いてほしい。

     答えは、気が向いたらそのうちに。なお、俺の記憶の甘さのために抜け落ちていることも多いと思われることはあらかじめお断りしておく。

    Posted by panhead at 2004年10月07日 12:51 | トラックバック
    コメント

    むー『社会調査のウソ』は読んだのですが、この問題は難しいですね。
    結局、結論の是非についてははっきり断定できませんでした。
    気になったのは以下の通りです。

    会議の成果について全く触れられていない
    会議で出た結論に対する事後検証が必要ではないか

    開催された電子会議には「電子会議でできるから会議を行った」会議はなかったのか。
    つまり出張してでも開催する必要がある会議を電子会議に置き換えられればコスト削減といえるが、そうでなければコスト削減ではない。ひょっとすると、手軽に会議ができるから、しなくてもよい会議を増やしコスト増になっているかもしれない。
    また、Face to Faceでは良く意見を出すメンバーが消極的になっていたとしたらそれだけで損失。

    もともと「電子会議」好きなメンバーしか参加していないとしたら好意的な意見しか集まらない。

    60%という数字は妥当か

    回数は正しくカウントされているか。
    ここで言う「電子会議」がチャットのようなものならともかく、掲示板形式なら非同期コミュニケーションなわけで、回数とはどのようにカウントされているのだろうか。

    参加メンバーが会議へ参加していることはどのように確認されているのだろうか。

    ナニな中間管理職に、果たしてバイアスなしの正当な「聞き取り」ができるかどうか不安。


    Posted by: さいもん at 2004年10月14日 01:48

    コメントありがとうございます。解答は後日エントリします。って、そんな期待するようなものじゃありませんが(^^;

    Posted by: panhead at 2004年10月14日 16:39
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